ある方とこんなやり取りがありました。

メールがとどきました

-----------2024/12/04 12:54-----------

今日待望のリンゴが届きました。でもビックリの味です。昨年のは余りの美味しさに感動を覚えるほどでしたが、今年届いたリンゴは全く別物としか言いようがありません。

糖度は低く、蜜はほとんどなく、近所のスーパーで一山いくらで売っているリンゴと変わりは無いレベルです。しかもこれが「特秀」ですか?

見かけだけは悪くないので見かけが特秀という意味ですか?

余りに昨年のと違い、期待とは懸け離れたリンゴを同じ農園で作ったものとは考えられません。これを特秀とランクされる基準は何なのですか?

些か怒りを覚えるほどの期待外れでしたので感情的な表現も含まれているかもしれませんが、送ったりんごは間違えて訳ありのランク外品だったと思いたいです。

-----------2024/12/04 12:54-----------

ここで、緊急スタッフミーティング

当日に届いているということは住所から前日出している品である。記録上も間違いない。

出荷担当者たちは首をかしげる。そんなに言われるほどのモノは入れてないと思う…。

こちらからメール主に電話。

それが今年のベストです。と説明。確かに今年は暖かく蜜入りはどちらかと言えば悪い。

しかし重いということは水分は十分に入っている。蜜として可視化していなくても十分にジューシーなりんごだと思えるものを入れていることを説明。

糖度計を使っているかという質問があったので、使っていないことを言う。

私どもにとってのりんごの美味しさは糖度ではない。ジューシーであることですと説明。

加えて非破壊の糖度計の信頼度は熟練の職人のそれよりずっと低く、1個判定するのに2秒かかる。そんなのもは効率悪くてとても導入する価値があるとは思えないことを説明。

とはいえ、まあ、私どもも見てみたいので着払いで返送してください。

こちらからすぐに代品を出します。ただし、その代品も同じ基準で出します。お気に召さない可能性はあるかもしれません。

とそんな対応をしました。

そしてこんなメール

-----------2024/12/05 19:28-----------

現在夜7時25分、代わりのリンゴは今日中には届かないようです。

その場合、明日最初のリンゴを送り返します。

-----------2024/12/05 19:28-----------

-----------2024/12/05 (木) 20:44-----------

その後八時すぎになって届きました。折り返し便で昨日届いたリンゴを返送させて頂きましたが、夜遅いので７日にそちらに届くようです。

最初のリンゴは２つ食べましたのでその分少なくなっています（最初の１つ目で期待外れでしたので確認の為もう一つ切ってみました）

今日届いたリンゴも１つ切ってみましたが最初のと同じです。糖度が期待よりだいぶ低く蜜もゼロです。

食感は期待外れではありますが、私のメールに対する貴農園の迅速なご連絡と対応は素晴らしく、「２度目にお送りしたりんごでもご満足頂けないとしても、これが当園の今年のベストと受け取って頂きたい」というご説明を受け入れたいと思います。お手間とお金を使わせてしまい申し訳ありませんでした。

一方で私もりんごファンとして、この１２月はじめの採れたてフジの中でも糖度の高い蜜入りを堪能したいので別の農園直送リンゴを探してみるつもりです。貴農園は糖度管理はされていないというご説明もビックリでした、一般的には高糖度かどうか蜜入りかどうかはリンゴのランクつけの最重要基準とおもっていましたので。貴農園の今年の特秀ランクは私のような消費者の観点からは並以外の何物でもありません。２年間お世話になりましたが来年以降は別の糖度管理を導入している農園に変更します。

-----------2024/12/05 (木) 20:44-----------

さて、昨日返送されてきましたが、日曜日でした。出荷担当者がそろった今日の朝、みんなで開けてみることに。

そこには驚愕の真実が！

とてもとても良いりんごばかりはいっていたのです。

1果あたりの重量もあり、水分はたっぷり入っています。割ってみると蜜も確認できます。

そうか。

この方は、甘さだけが欲しいんだ。

甘さだけで考えたら蜜入りりんごは甘くないもんな。蜜って言葉が悪いよね。蜜の正体はただの水分だもんね。蜜の部分は甘くないし。

この方はもううちを使わないと仰っていいますので、そうしていただいた方がいいですね。

非破壊型の糖度計を使ってゆっくり作業されている小規模の農園さんの方がいいと思います。

今後は使わないとわざわざ言ってくることに意味があるのでしょう。

ちなみに私どもにも感情があります。

お客様は本当にありがたいのですが、お客様を神様だとは思っておりません。

また、りんごは農作物である以上、年によって品質が違います。

時々ものすごく良い年に当たった方が、期待値が異常に高くなってしまうことがあります。それもちょっとだけ困っています。