SDGs 真剣に考えませんか。
暖冬だった冬。雪がほとんど降らないという非常環境でした。
もちろん植物たちの生育には大きくかかわります。園地に雪がないため、地温が例年より高く推移しました。一昨年度と同じか、それ以上か、というスピードで発芽が確認され、桜も異常なほど早く咲き始めました。ここまでは日本のほとんどの地方でも同様だったのではないでしょうか。
当地では桜が咲いた頃から低温が続きました。積雪もありました。このタイミングでりんごの生育には深刻な影響があることは確定しました。動き出している芽が低温でダメージを受けてしまうのです。これこそが暖冬と春の速さの恐ろしいところです。
4月は例年になく低温が続きましたが、4月末からの急激な気温上昇で5月5日に一気に花が咲き揃いました。これも珍しい現象です。通常であれば、同じ樹でも南側の地面に近い場所から咲き始めます。北側の高い場所が咲き揃うのは3日後くらいです。それが一気に咲き揃ったのです。気温上昇の急激さがそうさせました。そして結果的に暖冬と発芽の速さ、桜の開花から予想されたりんごの開花時期はずれにずれて、例年より1日から2日早いくらいになったのです。4月の低温と急激すぎた気温の上昇がりんごの芽や花には影響が大きいです。
天気予報によると6日以降は低温が続くようでしたので、大慌てで5日に準備してできるところまで受粉作業を行いました。
花が咲き揃った翌日は雨で低温。濡れた花が乾く時の気化熱で花にも影響はあります。とにかく花が受粉するためには、天気が良いのが条件です。その後も花の時期は低温が続きました。心配もしつつ、とにかく改めて受粉作業も行い、結実がよいことを祈ります。
そして、今日現在は結実状況はあまりよくないのが現実です。
うーん。
これが直接的にりんごの出来に影響があるかといえば、そういうわけでもないのですが、結実は良いに越したことはないのです。
頑張りどころですね。
近隣の園地はほぼ同様です。みんな、頑張ろうぜ!
さて、ここで私が思うのは、気候変動が形になって表れているということです。農業者の努力を超えた範囲で大きな影響があります。
事実、私が就農した19年前はサンふじの収穫は11月8日から行っていました。数年はそのスケジュールでしたが、15年くらい前から秋が寒くならなくなりました。寒気にさらされることでりんごは身が締まって、色づき、蜜が入ります。暖かくなる傾向は年々増して、現在はサンふじの収穫は11月20日ころからです。およそ2週間、秋が遅くなっています。上記したように春も早いです。夏は毎年経験したことがない暑さを記録します。
SDGs 真剣に考えませんか。世界のために。地球のために。そして子供たちに未来を残すために。